―厨房―
あら、シュテルンさん。
[厨房にはシュテルンもいた。にっこり笑って挨拶をして、洗い物をしようとしたら、すでに手際よくオズワルドがしていた。洗い物の手際も負けた気がする。
とりあえず、邪魔をしないように洗われた食器を拭いた]
賄い。
ああ、職人さんの世界では、新入りさんがお料理もされたりするんでしたっけ。
お洗濯とかも。
[訂正の言葉に、下積み時代の話かなと想像する。
マリエッタの仕事はそういう世界でなくてよかったと思う。39点の料理を食べさせられる側もたまったものじゃないと思うからだ。
料理の献立を聞かれると、ふむ、と考えて]
そうですね……シュテルンさんは何がいいと思います?
カレーとか、シチューとか、各自で食べる量を調整できるものがいいかもしれませんね。
[オズワルドがパスタを全種類制覇していたことを思い出せば、そんな提案をしてみた]