― クリーク砦:回想>>131 ―
おう。来たか、エドルファス。
[砦が慌しくなるよりも少し前。
挨拶の声を投げられて振り返れば、そこには一人の青年がいた。
エドルファス・ハーウェン、久しぶりに見る顔だ。
以前顔を見た折には、まだ少年の色濃かったようにも思う。
それが立派な青年になったと思う。
もっとも、それも見た目だけかも知れないなとは、悪戯めいた小声の付け足しに思うことだが。]
──── 悪ガキが。
[く。と、笑み深めて振るう拳はゲンコツの真似。
少年らが幼い頃に時折振るわれた拳の振りだ。]