[ダーフィトは徐にイレックスの扉を引っ掴んで開けると
中に入り、店番らしきドロイドへ主人は留守かと尋ねた。
一応の確認ではあったが、返って来たのはいませんという返事。]
だーよなあ。 しゃーねえか。伝言預かってきてるんだけどさ。
オタク、店主サンに伝えといてくれないかね。
[予想通りではあったものの、ダーフィトは溜息を吐いた。
取り越し苦労というやつである。
無論、レストランで偶然遭遇していたなどとは思わない。]
船医がライターのメンテを頼みたがってたってね。
店主に会えたらって何時会えるかもわからんこんな船の中じゃ。
[ドロイド相手に愚痴をこぼしながら
俺のも頼んだーと自分のライターを手渡した。
代金はカークにツケといてくれと言い置けば、回れ右。
ダーフィトとしては言伝の駄賃代わりのつもりだった。
…まあ、やや高額の上、後から文句が降るかもしれないが
その時は酒を奢るんだしいいじゃないかと宥めるつもりでいた。*]