─ 聖神神殿・廊下 ─
[感じた違和は気になるものの、嫌悪を感じる類ではないからと急ぎ確かめようとは思わなかった。
今の自分には神官長の傍に一刻も早く行くことが一番の優先事項。
種の本能だろうか出された命令をこなせていないのが落ち着かないというのもあるし、自分が怒られる度に痛めている養い親の胃も心配だ。
叱られぬ程度の小走りで急いでいると、前方から知った匂いを嗅ぎ取った]
…この、匂い。
メーディー…、さん。
[養い親が神官だった故に見習になる前から神殿の中をうろちょろしていたからある程度は見知った顔は多い。
匂いだけでなく、こちらに向かい手を振る相手>>192を目でも認めて言葉を覚え始めた頃に刷り込んでしまった名を呼ぶ。
未だ人らしく振舞うことに慣れていない為表に出る表情は乏しいが、声に親しみを滲ませて駆け寄り]