― 帝国内・某所 ―
[ 薄暗い武器庫の中、ランタンの光を頼りに前へと進む。
目的の場所に辿り着くと、手にしていたランタンを
一緒にいた青年に手渡し、辺りを照らしてもらう。
青年の薄茶色の瞳が、ぼうっと光った。 ]
――暗いけど見えるかな? ウェルシュ。
この銃は普通のものだけど、弾のほう。
魔法弾だ。
[ 5.56x45mm級のNATO弾の形状をしたそれは、
先端に透明な魔法石が仕込まれていて
ランタンの光を反射しながらキラキラと光った。 ]
――…この魔法弾は、同じ種類の鉱石に反応する。
例えばサファイヤの魔法石ならサファイヤの原石に働きかける。
で、面白いことに、この魔法石は石だけでなく、
ヒトの眼球――虹彩にも同じ反応を示すんだよ。