それで騎士団全部を危険にさらすのは、 ―――被害を出して魔物を倒せないとなったら、 それは俺の責任で、罪だ。[脳裏に浮かぶのは、先の戦いでのこと。自分が暴走したせいで、多くの騎士が失われた。少女を助けようとして助けられず、多大な被害を出した。その事実に、押しつぶされそうになったこともある。] ……でもな。 一人でも見捨てる選択をしたら、俺は俺じゃなくなる。 俺に託してくれた人と、俺自身を裏切ることになる。 だから俺は両方を助ける。届くまで手を伸ばす。