―廊下―
[繰り返すが、元来、余り戦闘は得意ではないのだ。
兎から無事逃れられたのは、運が良かったと言えるだろう。
相手は追いかけてきそうになかったが、
それでもある程度の距離を駆けてから、漸く立ち止まった]
……すみませんでした。 色々と。
[繋いだままだった手を離し、少女へ苦い笑みを向ける。
色んなことがありすぎて、何を言えば良いのか分からない]
予想以上に危ないですね、この城は。
まるで吸血鬼に、血を喰い合せるためのゲームみたいです。
[父の趣向を考えれば、強ち外れてもいないのではなかろうか]