[……むくり]やれ、今日も行ったか。[上半身を起こして、軽く伸びをひとつ。同室のカークが、深夜いずこかへ抜け出しているのは気づいていた。更に部屋に戻った時には甘い匂いがしていることも。ただまあ、誰しも秘密のひとつやふたつはあるのだし、本人から言ってこない以上、特に詮索する気もなかった。それに…――]