(あの時、彼はどういう顔をしていたのだった、かな…)[たった5年前だというのに思い出せない。……暫く考えて、苦笑する。くしゃりと胸ポケットの上から棒砂糖の塊を握り締めた。 どんな顔も向けられる資格など無い。――だから思い出せないのだと、そう気づいた故に。**]