人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


変わり者 アレクシス

[土煙の向こう、横たわった肢体に血の跡は残っていない。
その代わり、青白かった唇に仄かな色が灯った。
次第に熱が広がり、彼の目も覚めるだろう。]

 あ……ぅ……。

[魂の宿った気配に安堵の吐息が零れる。
もう身体を動かすことも出来ず、蔦に導かれるまま、扉に背を預けた。
掠れた視界、震えた指で、床に手を伸ばす。
弱々しい筆跡が、最期の言葉を記した。]

 "Viel Glueck."

[男は静かに目を閉じる。
穏やかな笑みを浮かべたまま、ただ、彼らの未来を祈って。]

(276) 2014/02/22(Sat) 22:34:19

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