……怒ってないよ。[だから、泣かないで。そう思うけれど、きっとこれから泣かせるだろうから、その言葉は言えない。>>273]ヨアヒム。[彼の名前を呼んで。少しだけ迷うけれど、自惚れでなければ、自分を好いてくれている彼に、嘘をつき続けたくもなくて。]……僕が、あの村に戻ったら。きっと、誰かが死ぬよ。それはオットーやヤコブかもしれないし、君かもしれないし、……僕かもしれない。僕は君を殺したくはないし、死にたくもないんだ。