――うん。 家族は……まあ、ね。[ただ一つ――家族のことだけは曖昧に口を濁した。そしてベルティルデと伯母――実際には離れた世代らしいが、との絆の強さや、楽しそうに語られる家族のことを聞き、心の隅に微かに染みる羨望から眼を逸らす。そんな玲緒をベルティルデが如何思うかは兎も角。無理に聞き出そうとしなかったことだけは確かだろう*]