武器ですか。 あるにはありますが、てんで使えないものでして。
出しても、邪魔にしかならないのですよ。
あなたのそれみたいな、かっこいいものならば良かったのですが。
[――ああ、なるほど。
本来武器として使われるものではない人形は、その大きさもあって、邪魔といえば邪魔でしょう。
膝に手を置いたまま、声色だけは申し訳なさそうに。
様子のおかしかった獣耳の男性も、気を取り戻したようでして>>272]
[これだけ人のいるところで、あれを出すのは、正直いやなのでしょう。
人のいるところで魔法を使いたがらなかったのもうなずけます。]