― ハールト揚陸戦 ―
[港で燃え盛る炎に、憮然とした表情を向ける。]
[ハールトにいた人々は先の撤退戦で全て引き上げた筈。
なら、なんらかの理由で残っていたか。
もしくはどこかから逃げてきたか。
それとも、撤退戦の時に不在だったが後に船で戻ってきたものか。]
まぁいい。
なんであれ、助けられるなら助けるのみ。
[錨が下ろされる少し前、男は愛馬にまたがって、天へと抜いたサーベルを掲げる。]
これが、我らが祖国の解放の第一歩。
……行くぞっ。
[応えの代わりに吠える声、声、声。
男は満足げに微笑んで、ベネディクトの隊の後方支援を待ってから、先陣を*切って行く。*]