[ 亡き人が繋いだレオノラとの縁。最初は、恩を返すような気持ちも確かにありはした。けれど、レオノラ自身の持ち味を好ましく思うまでに時間はかからなかった。かつて、レトに留学のようなことをさせる行き先にリンザールを選んだのもその信頼ゆえである。] 人を高揚させる華のある戦をするものを英雄と称し、 耐え忍ぶ戦いを選んでやり遂げるのが勇者であるならば、 常道を覆して寡兵で敵を打ち破るものは、さて、何と呼ぼうか。[ レオノラの自己分析を寿ぐように、手綱を引いて馬を止める。]