[確かに実剣の用意した実験小隊が説明どおりの機能を発揮するのであれば、一隊だけでも大隊規模の戦火を期待できるかもしれない。だがそのために一時とはいえ軍の弱体化を容認するには躊躇いがあった。ただ独り、鑑を除いては]「……ターゲットは?」[それは実剣が予想していた質問だった。恐らく鑑もこの流れになった時点でわかっていたのかもしれない。無表情のまま視線だけを投げかけた]