[ けれど、その瞳が真剣な興味の光を宿すなら。きっと。
重たい口は、ぎぎぎ、とさびたぜんまいを巻いて。
埃を被った "ほんとう" を奏でだす。 ]
私の、この藍玉は、
……兄の瞳を移植したものなの。
私が 殺した、双子の兄のものをね。
兄は貴方達と同じ狼だった……
どちらかというと、ドロシーに近いかしら、
自覚していなかった、
私が愚かにも、
自分の手で、目を屠るまでは。
[ 誘拐されてね、"商品価値"が無くなったら、逃げられると思ったの、と、自嘲する。
馬鹿の極みだ、そんなはずないのに。 ]