ドロシーのものだと、聞いたので……。
折角だから……彼女の傍で弾いてあげたい。
[あの騒動で、随分遅くなってしまったけれど、と付け加え。]
楽器はメジャーなものなら一通り。
やっぱり、無意識のうちに、聞こえなくなることへの恐怖があるんだと思います。
聞こえるうちに、いろんな楽器の音を聞いときたい……のかな。
……いや、音楽がないと寂しいってのもあるんですけどね。
[言ってしまってから、あ、と口を覆う。
病気のことを告げたシメオン相手だと、口が軽くなるのは困りものだなと頬を掻き、照れ臭いのを誤魔化した。
そして、すみません、行きましょうかとNルームへ行くことを提案するだろう。
……そのとき。]