[逆鱗を砕かれた海龍ははっきりそれとわかる怒りを込めた咆哮を上げる。爪や尾が無軌道に振るわれるが、それは場にいる者を捉えるより先に、鈍色の粒子となって崩れてゆく。そうして、後に残ったのは――ぽかりと宙に浮かぶ、蠢く鈍色の塊がひとつ] 残滓にまでなったか……あとは、これをどうにか抑え込んで……![抑え込んで、浄化する。さてそのためにどうするか、と思考を巡らせた直後に、碧い光がふわり、とその場に舞い降りた。*]