― サクソー川/橋の北西あたり ―
[ 一塊となった騎兵小隊が、全速に近い速度で駆ければ、途中で止められる者はほとんどいない。
代わりに、矢を避ける動きは出来なかったから、盾と鎧で弾き返せなかった数本は、守りに回る騎手の庇い切れない足や腕に突き立った ]
うおらああああ!!
[ 文字通り身を呈しての防御の中心で、未だ掠り傷程度で済んでいた隊長たる男が雄叫びめいた声をあげる。
彼が守られて在るのは、まさに、この瞬間のためだった ]
[ 声と共に、前面を固める二人の騎手の盾の間から、飛び出す煌めきがある。
エドルファスが、仲間の警告に気付いて馬から飛び降りたと、それはほぼ同時 ]