...アイリ殿
[ 騎竜をアイリの傍に一度近付け、呼びかけたのは、王女としてではなく、騎竜師として。彼女の最初の名乗りと、これまでの姿を見ていると、そう呼ぶことがふさわしいと、カレルには、思えたからだ。 ]
怪我をした人も多いし、僕に先陣を任せてください。
その方が多分、遠慮なく殴りあえますし。
[ カレルはユウレンの民ではなく、あの白狼の知り合いでもない、だから、と、笑って ]
ただ、本気で殺されそうになったら、説得はお願いしますね。
[ 弱気とも取れる言葉を、その笑顔のまま預けて、答えは待たずに前へと飛翔する。 ]