ああ、俺もマーティンに会いたかった……
[まさか、自分より先に死んでしまうなんて、思いもしなかったんだ。
状況はこのように悲惨なものだとはいえ、奇跡のようなめぐりあわせで、金馬号のひとたちとまた会えたのに。
マーティーンは、もういなかった。
彼のおかげで、自分はこんなにも長く、生きられたというのに。]
んん、オトナになってても、こんな状況じゃ、
頼りにされるのは、誰だって難しいかもしれないけれど……
でも、そんな風に、自分は船長なんだって、頑張ってるんだ、
いまだって、だいじょうぶ、
これから出来ること、きっとあるよ。
――…俺もねえ、マーティンにたくさんのこと、教えてもらった。
返しても返しきれない恩を貰った。
だから、ドロシーに何かあったら、
向こうで会ったとき、面目が立たない。
いま出来ることを探すなら、なんだって、手伝いたい。
守りたい。
[ゲオルグの話を聞けば、安堵するような心地がした。>>255
あいつがドロシーの味方であることが、純粋に、嬉しいと思って。]