― 会戦海域南/巡洋艦ヴァイスメーヴェ ―
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既に肉眼でも充分に輪郭を捉えられるほどに、近くに戦艦が迫っている。
嗚呼、これが戦場か。僅かな高揚感、そしてそれ以上に押し潰されそうな程の緊張感。
然し、まだ距離があるせいか、それとも実際に攻撃を受けていないせいか。どこかまだ、現実的なものとして受け入れられていない気分もあった。]
あれが帝国の戦艦か……!
[単眼鏡をヘーゼルに押し当て、その船を視認する。
ウルケルのとはまた造りが違っている。
遠目でもウェルシュならば、大体の造りは把握してしまうのが常だが、それでもやはり自分たちの港で生まれた船とは勝手が違う。]