[槍は、魔の胸の中央を貫いた。突き出される力と飛び上がる力が合わさって、穂先が背から飛び出すほどに深く。人間であれば心臓を貫かれて絶命するだろう。だが、魔にそのような器官はない。あるのは、流れる炎だけだ。それでもこれは間違いなく、深手であった。] ―――貴様を殺し、この世界を滅ぼそう。[言葉の続きと共に、溶けた炎が口からも零れる。危うく長槍の先を逃れた"目"の側に炎が滴って、"目"を竦めさせた。]