[わたしが思考に意識を囚われている間に、図面は受領されてしまった。
何ともないふりをしながら、お茶を飲み干したカップをソーサーに戻す。その際に、何かあるかと問われてしまった。>>258]
…は、あの…。
[本当はたった今考えていた内容の一部をぶつけてみたいけど、思想の片鱗を見せるのは得策ではないと、急ぎ頭の中を切り替える]
恐れながら、フィオン長官は随分若くていらっしゃるので。
大変有能な方でいらっしゃるのだなぁ、と思っていたのです。
そして、ウェルシュ殿下の御身の周りには、わが国の叡智が集まっているのだなぁ、とつくづく。
そのような噂はかねがね聞いておりましたが、ようやく実感を伴った所です。
[と、先ほど感じたことにすり替え、ごくありきたりな回答を返しておいた。*]