…主。
主を見下ろすなど、私にさせないでいただけませんか。
[遠回しに、降ろしてほしい旨を口にする。
主と呼ぶ相手を見下ろすこの姿勢は、いささか居心地が悪すぎた。
姿勢を保つため、主の肩に手を置かせてもらっている子の状況も、とてもよろしくない。
要求が聞き入れられたならば慎重に大地へと脚をおろすが、聞き入れられなかったならばそのままに。
ほんの少し、眉を怒らせて、男は付け加える。]
馬鹿げた、などと仰らないでください。
王を決める、大切な戦でございましょう。
[主であるその人に、王となってほしいなどと、対願ってしまうのは、理屈などではない、ただの性である。*]