[ 薄れる花の香りの代わりに、 知らぬ色の月が浮かび上がる>>232 無駄な足掻きであろうとも胸板を叩き 顔を背けていた天使の体が強張る。 ] ッ、――――ひ、っ……![ 引き攣るような声が喉から捻り出され、 天使の肩に触れていた男の手から 澱む気持ちの悪い体液に目を見開いた。 無垢であろうと分かってしまった。 翼を侵すこの呪いが何であるのか。 自らが今何をされているのか。 ]