サシャ。
この間の弓、見事だった。
[正面に立って、心持ちゆっくり話しかける。
彼女の耳が聞こえないことも、唇を読むことも知っていた。]
おまえでなければ、あの距離は無理だった。
次も頼む。
[暗闇の中、正確に見張りの兵を射抜いた腕を称える。>>140>>141
「熊殺し」の称号を持つ狩人の中でも、彼女の目と矢の鋭さは他と一線を画するものだと認めていた。
狩人としての力量に常々感嘆を覚えつつも、一度は超えてみたい相手である。
自分は熊殺しではないが、クマは退治したことがある。と冗談交じりに言ってみたこともあった。]