― 宿の食堂 ―
[横合いからかけられた声に顔を上げれば>>271、一人の男性の姿。
先程目が合ったような気もしたひとだ、もしかしたら、彼女の勘違いだったかもしれないが。
こちらを見ていたような気もする。まあ、職務質問常習犯の彼女なので>>138、胡散臭がられても不思議はないし、人気のそう多くない食堂で交わす会話が微かに届いていたのかもしれない。
いや、そう大きな声ではなかったはずで、聞こえていたならきっと耳がいい。>>266
なんとはなしに、不思議な感じのひとだな、と思ったものだ。
どこが不思議なのかはよく分からないけれど――優しそうな面差しの、普通の青年に見えるのに]
わたしは大歓迎。
ええと――名前、聞いていいかな? 君もいいなら、是非一緒に。
[この『君』は、いま昼食を共にしている、本を読む男に]
わたしはゾフィヤ、ゾフィでいいよ。
[もし昼食を共にすることがあるなら、もしかしたら、彼にこちらに来てもらうより、自分たちが食事を持って移動した方が早いかもしれない。分量的に。
彼の目の前のテーブルに乗ったたっぷりのメニューは、持ち運ぶには少々大変そうだ]