[ナイフの輝きが彼女の揺れた表情を照らす>>270。]
誰もかも、出生と親は自分で選べない。
俺は、生まれながらに人狼の子として生まれた“罪“を背負っているんだよ。
本来は、人と狼の共存する星で一生を過ごす筈だった。
だが、それすら許されることなく人の世に放り出された。
宇宙連邦に見捨てられてな。
俺らは平穏に生きる事すら許されない。
……俺は、生きる為に多くの命を奪ってきたさ。
こうして、人間が異質を排除していくのと同じようにな。
つまり、同じなんだよ。
人間も、人狼もな。
……分かるか?
生きているだけで死ねと言われる者の思いが!?
[今まで言えなかった本心と感情を吐き始めると同時に、ぼうっと瞳に緋が宿り始める。]