────…え………?
[ 息が止まりそうになった。
これは何だろう。この温もりは?
彼の掠れた声が私の体の中心をぎゅっと締め付ける。
服の上から焼印をなぞる手から優しさともう一つ
私にはわからない感情が伝わってきた。
抱きしめられている間、私は動く事ができなかった。
でも、悪い気はしなかった。
何だかとても心地が良かったから。
温もりが離れればまた彼の目を見る。 ]
……いいえ、私は"じんろう"でも"しにがみ"でも
"こいてんし"でも"こいびと"でもありません。
[ パンフレットを眺めて得た情報を思い出す。
私の体に異変は起きていないし
何かの力を持っているわけでもない。 ]