―夜・白い森―
[――…頭の奥が尽尽と疼くような感覚に襲われて、顔を顰めた。
すん、と鳴らした鼻は何かの匂いを嗅ぎ取るのだが、それが何の匂いなのか全く検討もつかず。
脳が弛緩していくような感覚は明らかに、異常だと。
訴えかけてくる理性すら段々と薄まっていく…ような。]
『――…なんだ…?』
[発する聲も常とは異なるもの。
――…
…それでも、声>>267がかかればそちらへ顔を向ける。
そして、「匂い」の元がフリーデルだと認識すれば、目を眇めてじぃ…と見つめた。]
『ゲルト…と、待ち合わせた場所、だから』
[拙く答える聲は何処か常の声と混じり、耳に痛く。
自分の聲だというのに不愉快に感じる。]