人狼物語−薔薇の下国

263 修学旅行試験


高殿 幸久 フェリクス


 ――――…ああ、

[青々とした竹が穏やかな日差しを木漏れ日に変えている。
足元を斑の影が彩り、まるで翡翠色の海へ沈むような心地。
そんな中で、大根役者でも、もう少し気合を入れそうな声を態とらしいタイミングで上げた。]

 道を間違えた。先に野宮へ来てしまった。これは拙いぞ、琉璃。今から寺へ向かってもどうせすれ違う、他の面子を此方で待ったほうが効率も良いと云うもの。しまった、琉璃のうっかりが移ってしまったな。すまん、すまん。

[一息に空に向かって唱える呪文は、不真面目そのもの。
妹からの鋭い突っ込みは覚悟しているが、これはヒューマンエラーだ。
或いはこれが不可抗力か。と、いつぞやの妹の発言を思い出し、チラと共犯者たる彼女へ視線を向けた。]

(273) 2014/10/19(Sun) 20:09:46

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