人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


気儘な猫 カレル

――現在・より少し前――

[>>235強要されるでなく促されるなら、のろのろと彼の後を付いていっただろう。獣の姿に変わる師に、表情を変えず驚いて…

…――もふもふ、毛並みを撫でたり肉球の手と握手を始めたり抱き上げたりしだしたのが到着に20分も要した最大の要因だった筈だ]

[急ぎ足の彼を同じ速さで追い掛ける事無くのんびり歩けば手でも引かれて急かされたかもしれない。その途中に、ぽつり、ぽつりと話し始め]

……俺は、貴方を幸せに出来ない、貴方と幸せにはなれない。

貴方には…――貴方自身の手で、誰よりも幸せになって欲しい。
今の、俺の、唯一の願い。
…願いの叶う心臓の代わりに、貴方が叶えてくれませんか?

[>>218それは、繰り返された二度目の言葉への返答。
彼と共に、そんな幸福をこの身に許してはいけない、赦される筈は、無い。生きろと煩い「自分」の声が聞えぬ「カレル」の耳に届くのは、いつも、背から血濡れの腕を伸ばす名も知らぬ彼らの声。

遠ざかる焼却炉の炎の音が、また後で、と勝手な約束を取り付けたカレルに、そんな勝手は許さない、早く此方に来いと未練がましく哭いている*]

(272) 2013/10/12(Sat) 00:57:37 (yahiro)

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