―― 第四エリア・花園 ――
[一人ずつひとが死んでゆき、誰かを疑わなければならないこの極限状況で、
大切な船の仲間に疑われ、傷つけられる。
それはどれほど不安になっても傷ついても、どうしようもないことだろうと、
彼女の瞳をじいっと見つめながら、その言葉を聞いていた。
きっと、大切な存在であればあるほど、その苦しみは深くなるはずだから。
――… その奥に宿っているであろう、より深い葛藤も、
彼女を追い詰めていく苦しみも憎しみを、
この目は見ることが、叶わないんだ。
背けられる瞳を、無理に追おうとすることはない。
ただ、程近くに片膝をついて、彼女の言葉に静かに頷きを返すのだ。>>255
聞こえるのは、微かな花のささやきと、
一滴ずつ零れ落ちるような、彼女の言葉]