[もし混乱しているなら、保護しなければ。
それか、もし――…
もしかしたら、万一。
ナネッテの見た、炎の向こうの不確かな光景に何かの見間違いがあって、
彼こそが人狼なのだとしたら?
このあまりに広い船内で――相手が望まぬならば尚更――見つけることは難しいかもしれないし、
もし見つけたとても、彼が自分のような見知らぬ警備員ではなく、
縁のある誰かとの話を望んだり、既に出会っているようであれば、そのときは、その誰かに任せて引き返そう。
追っているうちに、サロンでの情報収集の結果から、人狼の名が挙がることも、あるかもしれない。
けれど、万一の時は――…
そのときは、戦うだろう。]*