[この船の連中もアースガルドの連中も……用心深いのか間抜けなのか、それとも単に暇なのか……とはさすがの彼も口にせず。
警備員についてはこのような船内の状況を知ることのない、ある意味で運がいいと言えなくもない者>>243もいるのだが、そんなことは彼には知る由もなく。]
守ってもらっているのか、それとも見張られているのか、わからないのだがね……?
[ふん、と嫌味を言う。案内人や後ろの連中に言ったところで無意味なことはわかっている。]
まあいい。待遇改善は、責任者に訴えることにするよ。
次はどこかね、次は。
[そうして彼は、船内の一通りの目通しを済ませる。
この大仰な大名行列を目撃し、彼を目撃したものはあったであろうか。
そしてそのとき見えたのは、悪名高い政治家という表の顔か。
それとも『ラグナロク』……この船によってギムレー星系に持ち込まれていると噂される何か……を探る、宇宙連邦の暗部の手先としての、裏の顔か。]