[旗艦隊には、四隻の巡洋艦が所属する。
ゲオルグは今回、それを二つに分けて配置した。
ひとつはナハティガルを含む二隻、これは戦場左翼、つまりは戦艦より見て南側に配される。行動に自由の利きやすい配置であり、タクマ率いる味方艦隊にも近い配置であるが、それだけに帝国艦隊の激しい攻撃が予想される、即ち激戦の予想地点であった。
ナハティガルと組むのはやはり同じく歴戦の巡洋艦、先の戦いにも比較的損害軽微に立ちまわっていた艦である。
水路中央、ここを守るように置かれるのは戦艦二隻。更には北側に巡洋艦二隻が配されて、今回はいずれも単縦陣を基本とする。流動的に変化する戦場に対応し、小回りに手早く動くための配置であった。
帝国側から見れば、あまり守る。という印象を与えない布陣ではあろう。実際にこれは守るためではなく、帝国艦隊を迎え撃破せんとの意を持った布陣である。]