[苦しそうに、途切れる言葉で「逃げろ」と告げられれば。>>263
はっとしてソマリさんの手から逃れようと腕を引くけれど、そうすればするほど彼の手には力が入って。]
あ、ああああ!
[鋭く尖った爪が、手首にぐっと刺さって。
肉が裂かれる痛み。滴る紅い血。
広がる紅に、痛みに、息がはっはっと上がって頬を涙が流れる。
痛い 痛い 痛い 痛い 痛い
痛みに、抵抗することもできず、蹲って固まりながらこの後の展開を思う。
ふと、ローさんに言われた言葉を思い出した。>>109
「あまりに幻想や夢を抱きすぎると、
気がついたらそこは天国の扉の前だった――…
なんてことが、不意に起きるかも知れないんだぜ。」]