― 回想/学校跡地・一角 ―[名前で呼ばれると、どこかが震える。ドーベルニュは士官学校にいなかったが、ウェルシュはいた。名前で呼び起こされる記憶は、暖かくて痛いから]懐かしいよね。[そう相槌を打ちながら、感情が零れてこないように蓋をして微笑に近い形を作る。ヴィンセントの指が綺麗な円を描く>>248のを薄茶色で追いかけ、はじけた小さな火花を映した。儚い一瞬の光。そして消えた後の沈黙]