君の血は吸血鬼に知られると警戒されるだろうからな。 盾を守り手とし、陣中深くで手を打って貰わないとならない。[自らの身を武器と知る聖女の言葉に、そっと囁いた。>>229しかし、その言葉を口にして、一度噤む。己は既に彼女を凶手の一手と数えているのだ。自覚が後から回って、自らの打算に心中で自身を唾棄した。] 騎士より先に聖女が躯と変わるなんて縁起でもない。 ユーリエ、君の命は大事に使うと良い。 ―――…聖なる光の如く。 茨すら、灰燼へ帰す為に、な。