[ごく軽い口調で託すのは、言伝ひとつ。彼らが同一の『陣』にあるとの確信があるわけではないが。伝えておけば、多分届くだろう、という勘のようなものが働いていた]んーじゃあ、お嬢もにーさんも。縁があったら、またどっかで、なぁ。[ひら、と手を振り踵を返す。括った茶色の髪がゆらりと揺れて。暴風は、吹きすぎる風の内へと踏み込み、消えた。*]