― 回想 ―[ この酒席には、もう一人の元首である叔父も招かれて同席していたが、年若い者が集まる新元首からは少し離れて、長老達と歓談していた。それでも、成り行きの不穏さにざわめくこちらの様子に気づいていないとは思えなかったが、彼が口を挟む気配はない。甥の無事を確信して...ではなく、うっかり王国の使者が手を滑らせてでもくれれば面倒が減るとでも考えているだろうとは、男と、恐らくはカナンだけが知る話だ。 ]