[ゲオルグは首都にある折、たびたびタクマの私邸を訪ねるということがあった。
声が通じようとも、それで酒を酌み交わすことは出来ない。
だからと男は、土産を片手にふらりと時折訪れたのだ。]
速度と空間、状況の判断能力が際立っている。
…あれは艦隊を指揮させても面白いかも知れんな。
恐らくは、艦を操るように部隊を運用してみせるだろうよ。
いずれ機会を与えてみたいものだが。
[そんな話をしたことがある。
彼の邸では、彼の養い子に出会うこともあった。
時折顔を合わせれば、昔見られた硬さは少し取れただろうか。
彼と顔を合わせれば他愛のない話をした。
最近はどうしてるだとか、勉強は進んだかだとか───]