俺のしたことと、俺の出自は無関係だ。
ああ、まだちゃんと話していなかったな。
俺が、自分は人間じゃないと知ったのは、おまえを失ったと思って”堕ちた”後だ。
ずっと、隠してたわけじゃない。
自分でも驚いてはいるんだ── そうは見えなかったか? 順応性高いからなあ、俺。
[強気な笑みのままに、天界人らの浄化思想、人を愛しすぎたために受肉させられ下天したこと、肉体の死の後は天界へ還るだろうことを簡潔に伝えた。]
おまえが戻って俺を喚ばなかったら、俺も人類に対して希望を失い、浄化に同意していたろう。
魔王を退けた今なら、天界も人間の滅亡は望むまい。
おまえは、真の世界を救った英雄だ。
[ご褒美、とばかりに、ベリーの実をひとつ、ロー・シェンの唇に押し当てた。*]