あの時は、気遣い頂いたのに名前も名乗らずに失礼しました。
私はガートルード・カガチ、『蛟』の艦長代行です。
あなたに頂いた砂糖漬けのおかげで、回復も早かったのでお礼がいいたくて。
あの時は助かりました。本当にありがとう。
[微笑んだままリュカに名乗り、礼を言った後手にした小袋を彼女に差出して]
代わりといってはなんですが、貰って下さい。
本当はもっと綺麗なものもあるんですが、海の上まで持ってくるには日持ちがしなくて。
[袋の中を覗けば肌理細かい砂糖を花の形に固めた小さな干菓子が詰まっているのが解っただろう。
仮にリュカが遠慮したとしても、半ば強引に彼女の手に袋を渡し、よければ皆で食べてと勧め、離れた。
リュカ自身に感謝を伝えたかったのもあるが、こんな些細なことでもシンシャとユウレンの関係がより良くなる足がかりになればいいとも思いながら**]