…それにね、兄上。
私、アリーセに会ったよ。
貴方が私から奪ったアリーセに。
[口調を過去のものへと戻して、私は兄へ語りかけた。
それを聞いた兄の表情が瞠目した状態で固まる。
それに構わず、私は言葉を続けた]
あの子、重そうな枷をつけたまま、それでも生きようとしてた。
自由が無い状態でも、悲観せず気丈にしてた。
私、あの子が自由に飛べる場所を護りたいの。
あの子が大切な人と一緒に居られる場所を護りたいの。
それが、あの時何も出来なかった私が今出来ることだと思うから。
私の手で為したいことなの。
兄上、貴方としてじゃなく、