───ほら、来い。
[視力が回復したのとちょうど、館を出るタイミングが同じだったのは助かった。
無造作にメレディスに自分の着ていた黒い上着をかぶせると抱きかかえる。
羽が生えているせいだろうか、本当に天使というものは軽い。軽すぎる]
こんなところで天使の羽で飛んだら、襲ってくださいって言ってるようなもんだからな。
お前を連れて跳ぶからじっとしているんだな。
[主に馬車を用意してもらい、天獄に向かうのは甘えすぎだろう。
八本脚の愛馬に乗せるのも、あれも魔物の一種だからメレディスが危ない。
時間はかかるがそれほど遠い場所ではないし、メレディス一人くらいならそれほど苦にはならないだろう。
べリアンは見た目は人間とそれほど変わらず、空を飛ぶ羽もない。
しかし脚力は戦う悪魔に相応しいもので跳躍力はずば抜けている。
メレディスの心の準備を待つまでもなく、彼を連れて高く、高く跳ね上がった]