― 再びの宇宙船 / 1年半後―[ロワール共和国の宇宙船が、再度、天の高みを目指す日を前に、隣国アリシャスタン王国より、祝賀の使いが派遣された。ひと際、目を惹くその飛空艦は、唯一無二の外観と性能をもつ蒸気機関の粋《シュトルツフェア》壮麗な楽を奏しながら再建された地へと降り立つ。白の礼装に身を包んだ大使は、ロワール政府高官に国王からの親書を手渡した後、マチス・プロッツェ技術官との面会を求めた。*]