[しかし駆け出すと同時に、肩に鋭い痛みが走り、倒れる。
発砲音が二つ。
うち一つは、肩に命中したらしい。>>258]
の、ノトカー?
[何かに思い詰めたように、銃を発砲する様子に、舌打ちを。
先程のエレの悲鳴は、これが原因かと、ノトカーを睨んだが、フラリと姿を消してしまう。
痛いんだよ、ばか!
不機嫌が一回りして、口が悪くなっていることなど気付かず。
グッと、足を踏ん張って、立ち上がった。
自室にダーフィトがいることはバレていない。
…なら、彼は安全だろう。
そして、同時にとても嫌な予感がした。
……胸に巣食うざわめきに、急かされるようにして、自分の持ち得る全速力で走る。
……無事でいてくれ、エレ!シメオン!!
そう祈らずにはいられなかった。*]